漢方の世界では「気の巡り」を大切にします。「気の巡り」が出来なくなる事を気滞といいます。現代風に言えば、「ストレス」「運動不足」等で気滞が生じます。
元気とは「気血が調和し、滞りなく巡る」事を言い、息をして空気を肺に入れるのも、心臓が動いている事も、私達は無意識の内に行っています。
そして、この自然界の中に「生かしてもらっている」という事に感謝する程「気血が巡る」と思います。江戸時代「養生訓」を著した貝原益軒は「自分の身体を健康に保つのは自分の責任。
病気は自己回復力によって自然に治癒していくもの、気が滞ると病気になる。その為、努めて身体を動かす。そして、心は静かに」と言ってます。
「気の巡り」を正常にすることで「元気」になり、健康な毎日を送りましょう。
漢方薬(かんぽうやく)とは、日本で独自に発展した漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品で、植物、動物、鉱物の中で薬効を持つ「生薬」と呼ばれるものを組み合わせて処方調合したものを言います。
病院で処方される薬よりも副作用が少なく体に優しいというイメージがあるため、使ってみたいと思っている方も多いと思います。
漢方薬の効果は一朝一夕では実感できません。即効性がある薬に慣れていると効果が実感しにくいかもしれないですが、2~3回服用して効果がないと諦めずに飲み続けることが大切です。
病気の根源を細分化し、各診療科で専門の部位(患部)を検査し原因を究明したうえで治療。
病気の原因である細菌やウイルスをターゲットとし、攻撃あるいは切除などを行い回復させる。
問題ある部位(患部)だけではなく、体質や体全体の症状を診て治療。
患者の自覚症状を重視。体全体のバランスを整え、体本来の持つ力で回復させる。
どちらが優れているということではないので、漢方と西洋の最新医学を組み合わせ、総合的な健康体へ導くことが重要。
漢方薬の名称の最後の文字には特徴がありそれぞれ意味を持っています。文字は「湯」が最も多く、その次が「散」「丸」、その他の文字は比較的少なくなっています。
例:葛根湯、十味敗毒湯、麻黄湯、補中益気湯、六君子湯
煎じた液を温かいうちに服用する。喉に当てることで胃腸だけでなく粘膜からも吸収をさせるので、オブラートの使用はおすすめしません。
例:安中散、五苓散、当帰芍薬散、加味逍遙散、防風通聖散
生薬を粉末にしてそのまま服用する。体内に吸収してから効果を発揮するので、オブラートの使用も可。
例:八味地黄丸、桂枝茯苓丸、六味丸、麻子仁丸、牛車腎気丸
丸薬の意味。粉末状にした生薬に蜂蜜などを加えて丸く固めたものを服用し、腸まで届けることを目的とされています。なるべく溶かさずに飲む。
例:温清飲、参蘇飲、茯苓飲、清心蓮子飲、連珠飲
常温の水で服用する。温かくして飲むとのぼせることがあります。
例:紫雲膏、中黄膏、神仙太乙膏
軟膏(塗り薬)のこと。
例:治打撲一方、当帰飲子、痛瀉要方、玉女煎、雷氏清凉滌暑方、黒鍚丹、紫金錠
個々の病状に合わせてつくる煎じ薬が一番効果的ですが、便利なエキス製剤でも一定の効果は期待できます。
服用時間としては、空腹時に飲むのが基本的です。
エキス剤は、濃縮した煎じ液を顆粒状にしたもので服用しやすくなっています。
熱湯で溶かして煎じた液体のようにして飲むとさらに効果的ですので、苦味などが大丈夫であれば、熱湯で溶かして煎じ薬のようにして飲むことをおすすめします。
飲みにくい場合は、そのまま服用してもよいですし、オブラートに包んでもよいです。
漢方薬は、1日3回(朝・昼・夕)の食前(食事30分前)または食間(食後2時間後)に服用するのが一般的です。
漢方処方の薬効を十分に引き出すには、胃が空になっている食前・食間に服用し、漢方薬の成分を食物と混合することなく吸収させることが重要です。